自分で読み返してみても、このコーナーの話の全体像が見えないと思われますので、今さらですが簡単に書いておきます。
そもそも、私自身が勉強しながら、かつ自分の興味に従って、さらには順番も気ままに書いているのだから、読んでもよく分からないのは当然です。
阿波の古代史にかかわる先人の研究発表の流れは、大まかには ここ に書きました。
上で紹介した本などを全て読んだわけではありません。(ほとんど絶版です)
私が最初に読んだのは、大杉博氏の「邪馬台国はまちがいなく四国にあった」(1992年)でした。
当時は東京に住んでいましたので、書店で「邪馬台国」「四国」というタイトルを見ただけで、中もよく見ずに衝動買いした次第です。
大杉氏の本はこれまでに数冊読んでいます。つまり興味深く注目していましたが、まだ半信半疑でした。
大杉氏の本はこれまでに数冊読んでいます。つまり興味深く注目していましたが、まだ半信半疑でした。
入院をきっかけに、この本を読み、興味が再燃し、その後ネットでたまたま、 「古事記の舞台は徳島だった?」 を見つけました。
そこから、私の地図とのにらみ合いが始まりました。
次いで、高木隆弘氏の 『記・紀の説話は阿波に実在した』、岩利大閑氏の 『道は阿波より始まる』 と出会い、完全にKOされてしまいました。
そこに書かれている話は、その舞台となっている徳島や香川の人間もほとんど知らない、聞いたこともない古代史でした。
そこに書かれている話は、その舞台となっている徳島や香川の人間もほとんど知らない、聞いたこともない古代史でした。
『道は阿波より始まる』なども「半信半疑」で読み始め、読み終わる頃には「驚天動地」に変わり(ただし、土地勘がないと理解は苦しい)、自分で研究を始めると徐々に理解が深まり、やがて確信に変わってゆく、というような内容です。
私は昔から古事記や神話の神々に魅かれるものがあったのです。
この本は、最近実家から出てきたのですが、子供のころ私が小遣いで買ったものです。
1972年発行。380円! です。
全部読んだ記憶がないので、前半の神話部分だけ見て途中で投げ出したんでしょう。
この本は、最近実家から出てきたのですが、子供のころ私が小遣いで買ったものです。
1972年発行。380円! です。
全部読んだ記憶がないので、前半の神話部分だけ見て途中で投げ出したんでしょう。
この本(少年少女・世界の名作『古事記物語』)でも物語中に出てくる地名を「これは現在の○○県のこと」などと、通説に従って「断定的に」解説してくれています。
日本中の人がそうやって洗脳?されているわけで、それ以外の説は異端としか感じられないのも当然です。
日本中の人がそうやって洗脳?されているわけで、それ以外の説は異端としか感じられないのも当然です。
神武東征 通説のコース 四国はかすりもしない |
で、阿波の古代史ですが、「時代」で、きわめて大雑把に分類すると2種類あります。
阿波が日本の「元つ国」だという点では一緒なのですが、
もちろん一気に遷ったのではなく、遷都が完了したのがその時代だというのです。
私自身が神話時代に興味があったこともあって、また「常識」から言っても、最初は①の説のようなイメージで、しかも半信半疑で勉強を始めました。
この本も1回や2回読み流した程度では、理解が深まりません。
それでも惹きこまれるのは、話の進め方が論理的で文体にも魅力があるからです。
それでも惹きこまれるのは、話の進め方が論理的で文体にも魅力があるからです。
そこで、地図と照らし合わせたり、実際に自分で訪れたり、他の本やインターネットで周辺情報を調べたりすると、岩利説の信憑性が増すばかりでした。
阿波忌部族の日本各地への進出 『日本の建国と阿波忌部』より |
これらの地図と、通説の神武東征ルートの違いを見てください。
これらは、前期古墳、神武東征の時代の人や技術の流れを表しているのです。
しかも、「神話」ではありません。歴然たる物証が存在する事実です。
これは、阿波と各地の 「神社」 「地名」 の研究でも同じ結果が得られるでしょう。
これは、阿波と各地の 「神社」 「地名」 の研究でも同じ結果が得られるでしょう。
阿波の古代史に興味を持って、最初は8対2(もちろん2の方)くらいの可能性に思っていたものが、この1年で(徐々に)逆転し、今は、仮に細部の誤認はあっても全体的には、『道は阿波より始まる』に書かれている通りではないか?と思っています。
こういう点を見ると、人には私が郷土愛に燃えた人間だと写るでしょうが、決してそうではないのです。
そもそも、徳島が嫌で都会へ飛び出した小僧の成れの果てが今の私で、四国に戻ってからも、他地方との比較で欠点ばかりが目について、地元批判ばかりしていた男なのです。
そもそも、徳島が嫌で都会へ飛び出した小僧の成れの果てが今の私で、四国に戻ってからも、他地方との比較で欠点ばかりが目について、地元批判ばかりしていた男なのです。
一応、ここは日本の古代史と阿波の関係について何も知らない、聞いたこともない、という人に向けて書いているつもりですが、いずれ整理して入門編を作りますので、当分読みづらい点は勘弁してください。