空と風

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記紀の神名・人物名と阿波の地名の一致 ②

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① 伊加賀志許賣命(いかがしこめのみこと)  伊加賀色許雄命(いかがしこおのみこと)
徳島県吉野川市川島町 伊賀々志
 
伊加賀志許賣命は、10代崇神天皇の母。

伊加賀色許雄命は、「物部氏」の祖。

お二人を祀る式内社「伊加賀志神社」は、全国一社。



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「伊加賀志神社」飛び地の崇神天皇を祀る「王子宮」

② 第10代 崇神天皇

 御間城入彦五十瓊殖尊 (“みま”きいりびこいにえのすめらのみこと)
阿波国 美馬

阿波には、昔、北の阿波国と南の長国があったが、古代には西部にもう一つの国があったという説がある。
それが旧美馬郡(三好郡含む)の範囲で、元の「倭」国。

高天原(剣山地)から長の国に天下った天孫族が、阿波の国に侵攻し(神武天皇)、
崇神天皇が初めてミマ地域に入り、磯城瑞籬宮を造営。

「ミマ城・入り彦」を名乗り、阿波国内を統一、これにより、


日本書紀』で 「始馭天下之天皇」 (はつくにしらすすめらみこと) 、


古事記』で 「所知初国之御真木天皇」 (はつくにしらししみまきすめらみこと) と記された。

というのが、主要な阿波説。



③ 太田田根子 (“おおた”たねこ)
美馬郡 太田郷 現・美馬郡貞光町大字“太田”

大国主命の子孫。

大国主命の御子、阿遅鉏高日子根神を祀る鴨神社がある旧・三加茂町の隣が半田町、その隣がこの貞光町
太田田根子も阿遅鉏高日子根神の血統。

Wikipedia)より ~倭大国魂神

 『日本書紀』 崇神天皇6年の条。

~宮中に天照大神と倭大国魂の二神を祭っていたが、天皇は二神の神威の強さを畏れ、
 宮の外で祀ることにした。

 天照大神は豊鍬入姫命に託して倭の笠縫邑に祭った。

 倭大国魂は渟名城入姫命に預けて祭らせたが、髪が落ち、体が痩せて祀ることができなかった。

 同年8月7日、臣下の夢の中に大物主神が現れ、「大田田根子命大物主神を祀る祭主とし、

 市磯長尾市(いちしのながおち)を倭大国魂神を祀る祭主とすれば、天下は平らぐ」と言った。

 同年11月13日、大田田根子大物主神を祀る祭主に、長尾市を大国魂神を祀る祭主にした。~


「倭」大国魂神社が、日本で美馬にしかないのだから、当地の物語であることは明白。



④ 宇遅能和紀郎子 (うぢの“わき”いらつこ)
徳島県美馬市 脇(倭岐)

第15代応神天皇の御子。


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⑤ 登美能那賀須根毘古 (とみ の ながすねひこ)

 板野(伊太乃)郡 “登美” 

山寄りの 登美谷 から現地名「中富」を含むもっと広範囲の一帯。



⑥ 五瀬命 (いつせのみこと)

 園瀬川(そのぜがわ)の上流、“五瀬”(未確認)

近くの八多川(はたがわ)上流の「五王神社」の御祭神。



⑦ 山下影日売 (“やました”かげひめ)

 徳島県鳴門市瀬戸町堂浦。
旧板野(伊太乃)郡 山下

建内宿禰の母。
兄が、天村雲命の子「倭宿禰」こと、「宇豆彦」(うずひこ)で、
堂浦の対岸「阿波井神社」の御祭神。


うず彦の「うず」が、鳴門の「うず潮」なのも明々白々。


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⑧ 第5代 孝昭天皇

 御真津日子訶恵志泥命(記)/観松彦香殖稲尊(紀) (みまつひこかえしねのみこと)


正式地名ではないが、『道は阿波より始まる』によれば、この山を「三(美)松の峰」と記している。

式内社 阿波國名方郡 御間都比古神社 が鎮座。



⑨ 弟橘比売命 (おと“たちばな”ひめのみこと)
徳島県阿南市

徳島市の南隣、阿南市の「橘湾」一帯。

伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が禊ぎをした「日向の橘の小戸の阿波岐原」も当地。

倭健命(やまとたけるのみこと)の妃の一人。


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⑩ 大吉備建比売 (おほ“きび”たけひめ)

 徳島県阿南市 牛岐地方 (この地方で“岐比津”ともいう)

倭健命(やまとたけるのみこと)の妃の一人。
式内 建比賣神社 (古烏神社)の御祭神。



⑪ 第19代 允恭天皇 

 男浅津間若子宿禰 (“おあさ”つまわくごのすくね)王
徳島県鳴門市 大麻

 

⑫ 忍坂大中姫 (“おしさか”のおお“なかつ”ひめ)
徳島県徳島市八万町 中津

 允恭天皇の皇后

『道は阿波より始まる』によれば、以乃山(現・眉山)から、この中津浦へ下る道を「忍坂」と記している。



⑬ 引田部赤猪子   (“ひきた”べのあかいこ)
  阿部引田臣比羅夫 (あべ“ひけた”のおみひらふ)
香川県東かがわ市 引田

古来より、「引田」の地名は、全国で讃岐のみ。 



⑭ 大山守命 (おおやまもりのみこと)

 徳島県板野郡上板町神宅“大山” 

第15代応神天皇の御子。



⑮ 波多毘能若郎女 (“はた”びのわきいらつめ)
徳島県徳島市 八多 町(はたちょう) 旧勝浦郡八多村
 
第21代 雄略天皇の妃。

父の「仁徳天皇」は、『万葉集』では「難波天皇」と記される。

古代の難波とは、現さぬき市(旧寒川郡)一帯のこと。




⑯ 第41代 持統天皇

 高天原廣野姫天皇 (“たかまのはら”“ひろの”ひめのすめらみこと)
徳島県名西郡神山町阿野字 広野
徳島県徳島市入田町 天ノ原


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 春過ぎて 夏来るらし 白栲の
 衣干したり 天の香具山

という歌を詠んでいるが、この有名な「香来山」は、徳島市入田町天ノ原を真東に海へ出たところにある。



今回は、ここまで。