空と風

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隠れ里のひみ子さん (単行本) の紹介

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ブログ上でお知り合いになれた阿波野ひみ子さんが、本を出されたというので、読ませていただきました。
内容的には、ご本人のブログの記事から選び出されたエッセイです。

私は、他人様の人生などにはあまり興味がなく、そのテの本は、ほとんど読んだことがありません。
大山倍達今東光の若いころの話を書いた文章には、少年のころ、体を熱くして読み入りましたが、彼らはある種の超人で普通の人間の物語とは違います。

この本は、内容もよく知らずに読み始めましたが、読み始めると止まらないのです。
仕事の合間合間に読んだので、本を閉じるのが大変でした。

「たぐい稀な半生記」と、出版社の紹介文にありますが、失礼な表現ですが、そのへんのテレビドラマなんかよりもよっぽど面白いです。
面白いと書いては怒られますが、「惹きこまれる」という意味です。

中国の話はドラマチック。
日本での登場人物たちも、橋田○○子のドラマ内のキャラクターあたりよりもずっと強烈で、シンパシーを感じたり怒りを覚えたりします。

そして、本が面白いのは、やはりその文章力にあるのでしょう。
「下手な小説より面白い」と感じたのですが、なるほど、本の前半部は小説として書いているのだと後記に解説してあり、納得しました。

そして一番惹かれたのは、困難に遭遇しても、常に明るいひみ子さんの人間力ですね。
私の母も同じ膠原病で死ぬ思いをしましたので、こんなに力強い人がいるんだと教えてやるつもりです。

天は、人間にいろいろなものを与えますが、様々の試練を与えながらも、同時に周囲の人間にも恵まれているのは、ひとえにひみ子さんの人間的魅力のせいでしょう。

私ももっと前向きに生きようと思わされた本でした。





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