空と風

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映画「SP野望篇」とリアルな警護



観に行こうか、どうしようか、考え中・・・。

テレビドラマのSPは、突っ込みどころはあっても、それなりに面白かったです。
音楽も良かった。

アクションシーンも迫力があって、軍隊式の格闘術でも取り入れているのかと思っていましたが、先日テレビを見ていたら、主演の岡田君はUSA修斗でを裁拳道を学んだのだそうです。

裁拳道(ジークンドー)とは、ブルース・リーが作った格闘術で、昔から「映画のブルース・リーの動きは映画用の派手なアクションで、実戦ではもっとコンパクトで地味な動きをするのだ」などと言われていました。

ブルース・リーにヌンチャクと短棒術を指導したのは、フィリピン武術 カリの指導者、ダン・イノサント。映画「死亡遊戯」で適役として共演しています。




このカリの技が映画の警棒術として採用されているようです。

しかしまあ、実際の警護では映画のような派手なアクションシーンは殆ど無いと言っていいでしょう。
そういう状況に陥ること自体が仕事としては失格に近いからです。



 
 
ご覧のように警視庁のSPは、けっこう大所帯。
強力な仲間と組織が周囲とバックでサポートしています。

しかし、民間のボディガードは、そうはいかない。
小さな会社のサポートと、警棒と防弾チョッキだけで、任務を完遂しなければなりません。

それにもまして大変なことがあります。
世の中には、ボディガードになりたいという人間も多いので、一言書いておきます。
昔と違って、今はネットで「要人警護」「ボディガード」と検索するだけで、様々な会社がヒットするでしょう。

田舎ではともかく、都会では、ボディガードやバウンサーという職業が十分成立するのです。それだけの需要があります。

しかし、警護をする会社のサイトには料金が示されているところもありますので、見てください。

警視庁のSPに警護される人とは、そのサービスを無料で受けられるのです。
一般人が民間会社に警護してもらおうと思えば、1ヶ月一人を雇って、百数十万から数百万かかります。
内容や時間によるんですけどね。

名前は出せませんが、ある有名企業が、以前、裏社会と手を切るために社長以下役員数名に警護をつけたときは、月数千万の出費になりました。

したがって、殆どの場合、経費を抑えるために、必要最小限の依頼になります。
時間と人数を絞るのです。
もちろん、その一歩先を行く危機管理会社もあるのですが。

自分が自腹を切って警護員を派遣してもらうと考えてください。
芸能人のように、いかにもそれらしい体格のいい外国人にサングラスを掛けさせて、周りに数人配置するということにはならないのです。
それだって、何かの行事の間だけの超短期の契約でしょう。

自分が高額の費用を出して来てもらうには、どんな警護員がいいでしょう?
腕っぷしだけでは全く通用しないのです。
その要望が満たされなければ、「他の人をよこして」あるいは「違う会社に依頼する」ということになるのです。
それが「民間の論理」です。
 

つまり、元本物の警視庁SPであっても、民間警護会社では、会社や警護対象者からNGを出されることが現実にあります。

どの世界も、民間は厳しいのですよ。