空と風

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じじぃたちとの入院生活 2

何日も我慢した挙句「あのじじい。もう我慢ならん。注意してやろうと思う。」と言うと、嫁は「我慢して」と言う。
若いころ上司に「爆弾」と呼ばれた私は、嫁にもずいぶん迷惑をかけた。
「絶対、何も言っちゃ駄目だよ。」と、心配げに言う。

いくら俺でも、爺さんをぶん殴るわけないじゃないか~
信用ねえねぁ

あいつらが自分と同年輩以下だったら、初日に〆てるよ。
こんなに耐えてるのにさ・・・

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この入院中に巣の中にいた雛ツバメもいっちょ前になりました

じじいには腹が立ったが、人間観察としては面白かった。同室の人間が個性派揃いでね。
母などは、病室での話しを聞かせると「面白いからその人たちのことを本に書いたらどうだ?おまえ」などと言う。
塀の中の懲りない面々」ならともかく「病室の人迷惑な面々」って、一体誰が読むかね?

仲がよすぎて気持ち悪い家族の話とか、昼のメロドラマに出てきそうなくらい険悪な雰囲気の家族とか、
一日中ず~っと独り言をつぶやいている男の話とか、
無口で誰とも話さず、いつもカーテンを閉め切って中でハァハァ息を切らしながらトレーニングする男の話とか、
面白いんだけど、たとえ実名を出さなくとも、実話だけに書けません・・。

4人部屋で、私以外の3人が爺さんばっかのときなどは大変だ。
爺さんたちは、テレビは報道番組を含めてほとんど見ない。
かといって、読書もせず何するわけでもなく、日がな一日ベッドの上で、口を開けば「退屈やな~」と呟いている。
しかし「水戸黄門」だけは何があっても必ず見るんである。

この町で受信する放送では、午前に1回、午後に1回、「水戸黄門」の再放送がある。
さらに月曜日は夜8時からも本放送がある。

それを3人がいっせいに見る。一人は大音量で。
部屋中が毎日2~3回、水戸黄門の5.1チャンネル、スーパーサラウンド状態なんである。
テレビスピーカーはステレオタイプだから、正確には6チャンネルサラウンドか?

気の利いた看護婦さんは「大変だったら言ってくださいよ」と言ってくれるのだが、そんなもの、言ってどうなるものでもなし。
いくらうるさくても、昼間は我慢するくらいの忍耐力は俺にもある。
唯一の楽しみを年寄りから奪うほど、無粋でもない。
(でも、正直、もう勘弁して)

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