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式内社 天佐自能和氣神社 徳島市不動東町

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日本一社 延喜式式内社 阿波國名方郡 天佐自能和氣(あまのさじのわけ)神社

鎮座地 徳島県徳島市不動東町4丁目宮西569-1

御祭神 天佐自之和氣大神 (徳島県神社誌)
       神皇産霊尊 高皇産霊尊 日子刺肩別尊 意冨夜麻登玖邇阿禮比賣命
 
 
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創立年代不詳。
 
御祭神については複数の説がある。
 
徳島県神社誌によれば、社名のとおり、「天佐自之和氣大神」と記す。
 
式内社調査報告』によれば、もとは、「日子刺肩別尊一柱」。
 
後に、その母にあたる「意冨夜麻登玖邇阿禮比賣命」を祀り、さらに後世、神皇産霊尊 高皇産霊尊二柱をに合祀したという。

 
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ただし、『名神序頌』(メイシンジョショウ) (岡本監輔・オカモトカンスケ 1839 − 1904) には、「旧号を高木権現と云ふ」とあり、御祭神が「高木神」すなわち、「高皇産霊尊」であったと見られる。
 
阿波国式社略考』(1815)『阿府志』(1760~1780年代)も、当「高木権現」を「式内社天佐自能和氣神社」に比定している。
他に、式内社天佐自能和氣神社に比定される社はない。

これを受け(おそらく)、明治3年、社号を「天佐自能和氣神社」と改称。
 
もとは現社地よりも約1キロほど北側の、高崎村和気と云う場所に在ったが、明治44年、吉野川改修工事にともない現社地に遷座した。
社伝によれば、もともと高木権現は、洪水により鮎喰川上流から高崎村和気に流れ着いたのだと云う。
 
 
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意冨夜麻登玖邇阿禮比賣(おおやまとくにあれひめの)命『古事記』= 倭国香媛(やまとのくにかひめ)『日本書紀』は、第七代「孝霊天皇」の妃であり、その皇子の一人が、「日子刺肩別尊」(ひこさしかたわけのみこと)。
 
高志之利波臣・豊前之国前臣・五百原君・角鹿海直の祖とされている。

姉が有名な、「倭迹迹日百襲媛命」(やまとととひももそひめのみこと)、弟が四道将軍の一人「大吉備津彦命」である。

倭迹迹日百襲媛命は、お隣り香川県式内社「水主神社」の御祭神。
讃岐一宮「田村神社」でも、大吉備津彦命とともに御祭神となっている。

祖父に当たる「孝昭天皇」御真津日子訶恵志泥命(みまつひこかえしねのみこと)を祀る式内社は、全国で阿波一国「御間都比古神社」のみ。

異母兄に当たる第八代「孝元天皇」大倭根子日子国玖琉命(おおやまとねこひこくにくるのみこと)の妃、及び、第九代「開化天皇」の皇后となった「伊迦賀色許売命」(いかがしこめのみこと)を祀る式内社も、日本唯一、阿波国の「伊加賀志神社」のみ。

孝元天皇の第一皇子で四道将軍の一人「大毘古命」は、上記「水主神社」と「田村神社」の中間地にある式内「布勢神社」のご祭神である。

まだまだ書ききれない、阿波・讃岐と古代皇族の関係は、今後も書いてゆく。
 
 
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