空と風

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番外編 香川の不思議伝説 八代竜王社

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よく通る香川の山道に不思議な伝説を見つけました。
何年も通っていたのに、気づいたのは数か月前です。
普通に車を走らせていたのでは絶対気づきません。

実はその近くに、もう一か所不思議な場所を、昨年偶然に見つけたことが関係しています。
道から少しそれた場所に汚れて古ぼけた案内板が立っています。


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普通はそれがたまたま視界に入っても、気にも留めずに通り過ぎるでしょう。
車を降りていって、それを読んで、「こんな伝説が残ってるんだ」と感心しました。


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 八代龍王

 フルック谷 ガーラ渕

 祭神 天水分神 国水分神

 伝説

 昔此の辺り一面昼尚暗き大密林にして フルックの大群が住み 雄渕雌渕??成? 
 廻り一里の底無しの淵には人喰いガーラが住み 
 其の身の丈一丈(約3メートル)有り 尾は槍の如く二本の鎌は長刀の如く
 何れも鋭く光り 頭は青く眼は鋭く光り 二本の角は八又となり 口は何時も生血で真赤に染まり
 人を尻から喰ふので尻抜きガーラと人より恐れられ 密林に入る者はなかった。

 天平二年(730年)旧七月十七日 酒部黒麻呂命 塩田 平野 両部落の人に護衛と道案内をされて
 天川へ向かふ途中 此の渕に寄られて

 天水分神 国水分神 を祭りて ガーラを渕底へ沈めて 平和な部落にして 
 同年旧九月十三日岡之峰へ行かれた
 其の跡 眺神として今尚残れり。

 以下略


御祭神の、天水分神(あめのみくまりのかみ)国水分神(くにのみくまりのかみ)とは、イザナギの命 イザナミの命の孫で、水の分配を司る神です。

フルック、ガーラ とは、まったく聞きなれない名前で、正体が分かりません。


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立て札から周りを見回しても何も見えず、細道を奥へ歩いてもそれらしいものはありませんでした。
首をひねりながら帰ろうとすると、せせらぎの音が聞こえるので音のする林の中を覗き込むと、奥に祠のようなものが見えました。


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林を降りていくと水の流れがあり、その向こう岸の神秘的な形の大岩の上に祠が見えました。
後ろは竹林になっていて、光の加減が神々しさを感じさせます。


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この渕底にガーラが封印されているのでしょうか?
サイズは小さいですが、ガーラの姿からは真っ先に八岐大蛇を連想しました。
実はもう一か所の不思議な場所というところにはスサノオの命が祀られています。

神秘的な巨石の上に祠がおかれることはよくありますが、このような伝説が残るということは何かしら逸話のもとになる事件があったのでしょう。
それにスサノオ伝説が加わったのかもしれませんね。


ここは地図を載せないでおきましょう。


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