今は電子カルテで、腕のバーコードで患者のあらゆる情報も一発表示。すごいです。
病室でテレビを見ていたら、映画の宣伝のために出演していた渡部篤郎が(外事警察ナントカ。という映画。共演者に「外事警察って知ってますか?僕もこの映画に出るまで知らなかったんだけど、カクカクシカジカ・・、とデタラメを説明していた)、好きな女性のタイプを聴かれて、
方言で話す女性
と、言っていた。
へえ?どこの方言がいいですか?
と訊かれた渡部は
四国 ですね
と・・・。
なんでも、以前共演した広末涼子が、休憩中に携帯で土佐弁丸出しで誰かと話していたのを聞いて、キュン、となったらしい。
入院患者は、私の歳でも最も若い部類。
同室の人達もみな、7~80代の爺さま方だ。
看護師という仕事は、見ていてもほんとうに大変で、休むまもなく、彼女たちは実に献身的で、いつも明るく元気で、話の伝わりづらいお年寄りを一所懸命世話している。
私は心から尊敬する。
中には男の看護師もいるが、私がこの仕事をしていたら、耐え切れずに、
はよ、死ね。このくそジジイ!!
と怒鳴り上げること間違いなしである。
ところで、徳島では、買い物などのシーンでも、店員が、客に向かって、タメ口をきくことが多い。
私も嫁も、徳島に戻ってしばらくは、感じ悪いなぁ、と思っていたのだが、やがてそれは、タメ口というよりは「方言」なのだとわかった。
特に年寄りに対しては、方言で話しかけないと、会話にならないのだ。
病院でも、看護師はお年寄りに向かって、「○○しますか?」というような言葉遣いはしない。
「○○するで?」となる。
なにしよん! いかんでよ。 どしたん?
痛いんえ? ご飯食べたで?
体温何度やったん? え~はかっとらんの。 ほれいかんでえ。
友達のように話しかけないと、相手は答えられない。
それでも、若くて顔の可愛い~看護婦が (婦、になるな。どうしても) 、
寒いつかえ!!? わたしや、こんなに暑いのに。
と、徳島でも今時の若い子はもうあまり使わなそうな言葉で爺さんに話しかけるのを聞いて、吹き出しそうになった。
いや、むしろ、かわいい! と思った。
渡部篤郎の気持ちがわかったような気がしたのである。
話しかけられた爺さんは、阿波弁しか喋れないような人で、看護婦が
咳、出よるで?
と、聴くと、
まんがにの
と、答える。
年寄り慣れした看護婦も、 え? と思わず聞き返す。
まんがにの でるんじゃ
え?
なんていよん? え?
まんが?
まんが? ってゆうん?
ええ~! わからん~・・・
と、うなって諦めた。
私も、年寄りが使うのを聞いたことがあるような、ないような。
そのニュアンスからは、
ときどき か、 しょっちゅう
だろうが、わからなかったので、今日帰宅して、家に4~5冊ある阿波弁の本、片っ端から見たが、どれにも載っていなかった。
実にコアな言葉である。
そこはそれ。
ネットで検索すると、どうやら
たまに たまたま
という意味らしい。
私が聞いて受けた印象よりも、かなり少ない頻度を表すようだ。
看護師の皆さんは、ぜひ、覚えておくように。