空と風

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串かつ だるま

 
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This is 大阪。
 
新世界。ジャンジャン町。
 
今は串かつブームらしく、新世界を歩くと串かつ屋であふれている。
 
その中でも、この「だるま」は、元祖 らしい。
 
赤井英和が、よくこの店をテレビで押していたのは知っている。
 
私が、だるまへ行くのは3回目である。
 
上の写真はジャンジャン町の通天閣側入り口にある「ジャンジャン店」。
 
実はこの店のこの場所で、私の親戚が約50年ほど前に焼き鳥屋をやっていたのである。
 
その後、ジャンジャン町の中ほどに店を移動したが、私はそこで幼稚園や小学生時代からカウンターの端で焼き鳥をつまみながらビールを飲んでいた。
 
店で飲んでいた客のおっさんが、「へぇ~!!」と驚きながら、幼い私をまじまじと見ることが、よくあったのを覚えている。
 
おっさん達が驚いて店の者を見ると、にっこり笑って「ええ。うちの孫ですねん」と答えるのが常だった。
 
カウンターだけの小さな店で、店の者は全員私の親戚筋の女性だった。
3~4歳の私が彼女たちについて歩くときは、その人差し指を下から鷲掴みにしていたのを覚えている。
行く先々で「女の子ですか?」と言われたらしい。
 
当時の新世界は、大変ガラが悪かった。
 
今は姿を消したが、地下鉄動物園前の駅を出ると、そこは小汚いおっさんと浮浪者であふれていた。
ジャンジャン町手前のガード下は、露店と横になって寝る浮浪者でいっぱいだった。
20数年前、初めてここを見た嫁は、「露店で片っぽしかない靴も売っていた」といたく感激していた。
 
 
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今日もコインパーキングで寝る勇者を見かけたが、うっかり車でバックすると、えらいことになりますな。
 
 
この駐車場の左に見える道路の辻々には、やたら背の高いオカマたちが立っていたものだ。
 
カップヌードルが初めて世に出たときには、この通りにお湯の出る自販機が設置され(当時はプラスチックのフォークが備え付けられていた)、その画期的な食べ物をいち早く腹に入れたりもした。
 
そんな幼い私にとって、串かつとはジャンジャン町「八重勝」の串かつだった。
 
同じ横丁仲間なので、声をかけるとすぐ家まで持ってきてくれる。
私が親戚の家へ遊びに行くと、八重勝の串かつが30本くらい皿に積まれ、「食え」とビールと一緒に出された。
 
少食の幼い私が頑張って10本くらい食べて「もういらん」と言うと、「マサキは串かつ出したったら、うまいうまいゆーて30本くらいはペロッっと食べるで」と怒られたものだった。
 
マサキというのは1つ年上の私のいとこである。中学の時に旅立った。
 
 
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串かつは、たれを共用するので、「二度づけ」が絶対の厳禁である。
 
新米さんのために、店のルールを書いたカードが客一人ひとりの前に置かれ、壁にも注意書きの張り紙がいっぱいだ。
しかし、ついうっかり、一度自分の皿に置いた串かつをたれに付けようものなら、カウンターの中にいる「浜ちゃん」の目がキラリと光り、毎度毎度厳しく叱られる。
ジャンジャン店は2回目だが、いつ行ってもうちらは叱られてばかりである。
 
ご覧のようにトレーに乗って串かつが出てくるが、この上から塩をかけようものなら殴られる。
ここから一旦自分の取り皿にとって塩をふるのである。
たれをつけるメニューはここから取ってたれにつけ、自分の皿に置く。
悪気がなくとも、ここから一旦皿に置いたものをたれに付けようとすると殴られる。
 
つまり、言葉通りの「二度付け」ではなくとも、自分の皿に置いたものはそのまま食べるしかないのだ。
キャベツも「手にとって、たれにつけて、皿にとって、食べる」ので、箸で取ってはいけない。
その箸を、たれにつけかねないからである。
 
考えてみれば、他の一般的な食べ物のように、たれを一人一人の入れ物に入れて出す、とか、個人個人の小皿にたれを注いで、それにつけて食べるとかすれば何の問題もないのだが、大きな容器のたれにゴボッと串かつを突っ込んで食べるのが良さなのだろうから、仕方のないことである。
 
私が子供の頃食べた祭りの時などの屋台のたこ焼きは、団子のように割り箸にたこ焼きを5個突き刺したものを「ほい」と手渡され、それぞれがセルフで好きなだけソースをぬりたくって、かつお節と青のりをふって食べるというスタイルで、それはそれはうまかった。
 
パックに並べて上からちょろっとソースをぬって渡される今のたこ焼きでは、あの旨さに及びようがない。
だから、大阪の串かつが今のスタイルを変えることは望まない。
 
 
 
基本メニューの「串かつ」は、私は八重勝の方が好きだ。
 
しかし今は、どの串かつ屋も豊富なメニューを揃え、競い合っている。
嫁は、だるまがお気に入りである。
 
今日食べた中では、串かつならぬ「ずり」(砂ギモ)が一番うまかった。
ナンコツもうまかった、って、それじゃあ焼き鳥屋行けって話じゃん。
 
仕方なかろう、この場所はその昔、焼き鳥屋だったのだから。
父の語るこの場所の昔話や思い出とともに、私は食しているのだ。
 
 
 
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ここを通るたび左手の化粧品屋で、愛用のアウスレーゼのマイルドアフターシェーブローションを買う。安いのだ。
 
 
節電で?、ネオンの消えた通天閣
景気が悪いよ。
 
「気」が大事なんだよ。
通天閣から暗くなってどうするのよ。